実施中によく使う言葉、使わない言葉
実施中に、よく使う言葉、使わない言葉
こう言ったら、次におもしろい体験が生まれる。
こう言ったら、萎縮してしまったりして、おもしろい体験が生まれない。
ここで言う「おもしろい体験」とは、本人にとって気づきや感動があるような体験です。
「体験から学びを持って帰ってもらうこと」
が仕事の僕にとって、
どう言うか(どうリアクションするか)は、とても重要なことです。
10年くらいやってきて、何となくこう言った方がいいな。
と気づいてきていることがあるので、共有させてください。
子育て中のみなさんの参考に少しでもなれば嬉しいです。
肯定する時
■ 使う言葉
- いいねー
- やるねー
- 楽しそうやね。
- すげーじゃん!
- それは嬉しいね!
■ 使わない言葉
- えらいね!
- 上手だね。
- 賢いね。
- ちゃんとできたね!
気をつけているポイント
「優れてるから褒められる。」というメッセージは出さないようにしています。
「〜な自分は認められる」という限定的な承認となってしまうと、「優れていない(〜じゃない)自分はダメ」になってしまいます。
その後も、こちらの評価を気にして萎縮したり、こちらも目を気にして自発的に判断してくれなくなることが多いです。
嬉しい時は子どもも「嬉しい!」って顔をしてるので、
「嬉しい!」に最大限共感したいと思っています。
何が嬉しいのかよくわからなかったら、話を聴いてみて、
「いやー、それはむちゃくちゃ嬉しいねー!」とハイタッチできる大人でいたい。
否定的な反応をする時
■ 使う言葉
- いやだよ。
- それはおれ悲しいわ。
- あんまり嬉しくないなー
- それはやったらあかんよ。なんでかと言うとね…
■ 使わない言葉
- ダメでしょ。
- こら!
- ありえない。
- 普通さ、〜でしょ。
- それはやったらあかんよ。ダメなもんはダメ。
気をつけているポイント
否定したいこちら側(自分)の気持ちを正しく伝えたい。
相手がそれをやっている理由も聴きつつ、「何が嫌だったのか」を伝えるようにしています。
怒りだけが伝わっても仕方ないですし、常識やダメだからダメ!というこちらのルールで相手を思い通りにコントロールする必要はないはず。
「えー、うわー」って気持ちになったときは、自分のその気持ちがどこから来てるか、「何が嫌だったのか」を考えるようにしています。
「何が嫌だったのか」を伝えると、怒りや強い否定のメッセージではなく、嫌だったよ・怖かったよ・不安だったよというメッセージになり、怒りや攻撃より、相手に伝わるはず。
話を聞いて欲しい時
■ 使う言葉
- 前向いてくれー
- 協力してくれん?
- ちょっと話したいんだけどいい?
- これは〜だから、伝えておきたい、聞いて!
■ 使わない言葉
- 話を聞いてないのは誰かなー(監視させ合う)
- 〜くんえらいねー(褒めて見習わす)
- 話をききなさい!(怒鳴る)
気をつけているポイント
話を聞いて欲しいのは、こちらの都合。
当然ながら、相手がどんな都合なのかは未知。
強制して服従させても、その先の自発的な体験やそこからの気づきが生まれない。あくまでフェアに「お願いします」。
そのため、
「まあ、れおがそこまで言うんやったら聞いてやろう。」
と思われる関係性を築いていることが重要。
まずは相手のお願い(〜して欲しい!)に応えるところから。
だから一緒になって遊ぶことが大切。
危険なことをした時
■ 使う言葉
- おおー(←一旦冷静になるための時間)なんでそれしようと思ったん?
- (きいた上で)なるほどな、でもこれがこうなったら怖いからやめて欲しいよ。
■ 使わない言葉
- なんでそんなことしたの?!(怒
- これは~だからダメって言ったでしょ!(怒
気をつけているポイント
危険なことはちゃんと伝えたい。
一方で、怒りだけが伝わっても仕方ない。
怒りは、怖かった・悲しかった・不安だったといった感情の二次的な感情。
落ち着いたらまず聴いてみる。(相手も実は怖かった…って時もあるかも)その上で、やめて欲しいことと、理由を伝える。
片付けをしない時
■ 使う言葉
- 片付けてくれー(願い)
- 片付けてから遊ぼうぜー(誘い)
- なんで片付けたくないの?
- 「めんどくさい」のはみんな一緒だ。そこはやろうぜ。(誘い)
■ 使わない言葉
- 片付けなさい(命令)
- 片付けないと〜させないよ(脅し)
- 片付けられる〜くんはえらいなぁ、かっこいいなぁー(褒美をちらつかせる)
- 片付けたら~あげるよ!(取引)
気をつけているポイント
命令や脅し、取引でコントロールするのではなく、あくまで(誘い)で乗り切りたい。と思っています。
強制して服従させても、その先の自発的な体験やそこからの気づきが生まれないからです。
「片付けた方がいいよな。自分のことだし、自分でやろー」と、気づく時がいつか来て、その時に、自然とやれるようになるはず。(今はまだその時ではない!)
どうしても片付けて欲しかったら、どうしても片付けて欲しいんだ。ということを伝えるしかないです。
ケンカをした時
■ 使う言葉
- どうした?
- 何か嫌なことあったの?
- (何が嫌なことがわかったら)それは嫌やったなぁ。
- (怒ってしまったけど)本当は、どうしたかったの?
■ 使わない言葉
- こらっ
- ダメでしょ。
- 謝りなさい!
- 「ごめんなさい」は?
- どうしてそんなことするの!(怒
気をつけているポイント
ケンカは自己開示(思っていることを打ち明ける)であって、相手といい関係を築くために必要。
なので、「ケンカ」自体は否定すべきものではない。
むしろ、本音を隠してコソコソ陰口をいう大人たちより、真っ向勝負で相手に伝えようとする姿勢は尊敬に値します。
怒ってしまっていたら、怒りは何かの二次的な感情なので、「本当は」どうしたかったか、どう伝えたかったかのサポートをできるといいなぁと思っています。
言葉も含めた暴力は、相手といい関係を築くためにはマイナス。(これは伝えたい)
自分の思いが伝わらずに感情がコントロールできずに暴力になっているので、暴力になる前に2人の間に入って情報の交通整理をすることを気をつけています。
まとめと言い訳
90%くらい、できていると思います。
10%くらい、できていません。
正直、実施中に怒ってたりします。全然お願いが通用しない時もあります。
相手の話を聴かずに、一方的に伝えてたりします。
人間なので、怒りが湧いたり、悲しくなったりして、その感情が表出することがあります。
けど、そういう感情が出てしまうってことは、それだけ相手のことを想っているということでもあるので…自然なことです。
お願いが通用してない時は、そこまでの関係がまだ築けていないということで、これも自然なことです。
その自然なこと自体を否定しても意味がないので、その上で、どうしたいか。どうしたかったか。
少しずつ在りたい自分になれたらいいと思っています。